スーパーの利益率ランキング10！チェックポイントを解説

スーパーの利益率ランキングトップ10

2024年度（2023～2024年）のスーパーマーケット業界の利益率ランキングトップ10を紹介します。

順位	社名	利益率	特徴
1	東急	6.1％	首都圏を中心に「東急ストア」を展開
2	サンエー	5.1％	沖縄のスーパー。従業員の平均年齢は35.9歳
3	神戸物産	4.5％	業務スーパーを全国に展開。価格帯の安さが魅力
4	ハローズ	4.4％	24時間営業のスーパーを中四国で展開
5	イズミ	4.3％	東証プライム上場。中四国と九州が地盤
6	オオゼキ	4.1％	正社員比率が70％と高く商品の鮮度に定評がある
7	エイチ･ツー･オーリテイリング	3.3％	関西圏を中心にイズミヤ・阪急オアシスを展開
8	ベルク	3.1％	33期連続で増収を誇る地域密着型のスーパー
8	ヤオコー	3.1％	埼玉が地盤の食生活提案型スーパー
9	マミーマート	3％	福利厚生に奨学金返済支援制度を導入し話題に
10	JMホールディングス	2.9％	ジャパンミートや肉のハナマサなどを展開

各社の有価証券報告書などを元に作成

利益率ランキングトップ10入りのスーパーは、利益率向上につながるような特徴や強みを持っていることが分かります。利益率の高いスーパーは、関東だけでなく大阪や中四国など全国に存在しています。

※利益率は、各社の有価証券報告書や公式サイトなどを参考に算出しました。可能な限り多数の企業の利益率を精査しましたが、すべての企業の利益率を反映しておりません。

※掲載情報には細心の注意を払っておりますが、投資など重大な決定をされる際は各社が発行する有価証券報告書などの資料をご覧ください。

スーパーの利益率とは

スーパーの利益率についてくわしく解説します。

スーパーの利益率の種類

利益率とは、企業の売上高に対する利益の割合です。利益率の例を紹介します。

利益率の種類	内容
売上高当期純利益率	企業活動のすべての結果として得られる利益率
売上高総利益率	売上高から仕入や廃棄などの売上原価を引いた利益率
売上高営業利益率	売上高から仕入や廃棄、人件費、広告費などを引いた利益率

売上高総利益は、粗利益とよばれることも多いです。売上高営業利益率は、仕入値や破棄にくわえ、人件費や地代、広告費なども引いて算出します。そのため、売上高総利益率より売上高営業利益率のほうが低くなります。

スーパーの利益率から分かること

スーパーの利益率から分かることを下表にまとめました。

利益率の種類	分かること
売上高当期純利益率	スーパーの総合的な収益力。企業の稼ぐ力が分かる
売上高総利益率	スーパーのブランド力。高ければ商品が魅力的といえる
売上高営業利益率	スーパーの収益性。販売方法や広告の効果を測る指標になる

なお、「2023年スーパーマーケット年次統計調査報告書」によると、スーパーの売上高総利益率の平均は約26％でした。また、売上高営業利益率の平均値は約1％です（※1）。

※1.2023年スーパーマーケット年次統計調査報告書｜一般社団法人 全国スーパーマーケット協会

利益率を見るときのポイント

利益率を見ることで、スーパーが利益を出しているかどうかが分かります。利益率をみるときのポイントを3つ紹介します。

見るポイント	内容
1.利益率の推移を見る	一事業年度だけ利益が上がる（下がる）可能性があるため、過去3年分の利益率の推移を確認する
2.ほかのスーパーと比較する	業界によって利益率は異なる。ほかの競合スーパーと比べて、業界内での利益率の高さを確認する
3.ほかの指標と一緒に見る	スーパーの経営状態を確認するために、利益率とほかの指標を組み合わせて見る

スーパーの経営状態を正確に把握したい場合は、利益率だけではなく、多角的に確認しましょう。

利益率が高いスーパーの特長

利益率が高いスーパーの特長を3つ紹介します。

スーパーの売上高が高い

売上高の高いスーパーは、売上高営業利益率などが高い傾向にあります。スーパーの売上高が高い要因は、さまざまなものがありますが、例として3つの要因を紹介します。

1. 商品の品質がよく販売価格も高い
2. マーケティングが成功している
3. ロイヤル顧客がいる

ロイヤル顧客とは、来店頻度や購入金額が高い顧客のことです。マーケティングやブランディング、質のいい商品の販売などが成功していて、顧客から愛されるスーパーになっていると考えられます。

スーパーの商品に付加価値がある

商品に付加価値がある場合、利益率も高くなります。商品に付加価値があれば、値下げ競争に陥ることなく顧客から選んでもらえるからです。

前述した全国スーパーマーケット協会の調査によると、商品カテゴリー別の目標とする利益率は高い順に以下のとおりです（※1）。

商品カテゴリー	目標利益率
惣菜	37.8％
畜産	28.3％
水産	27.8％
日配品	23.1％
青果	23.0％
非食品	21.2％
一般食品	19.8％

惣菜のほか、鮮魚や精肉の部門は利益率が高いです。商品に付加価値を与える手段は、地元商品の販売のほか、陳列やPOPの演出などがあります。

スーパーの売上原価をおさえている

商品の売上原価がおさえられると、利益率も上がりやすくなります。売上原価とは、仕入値や原材料、サービスにかかる費用のことです。スーパーの売上原価をおさえるおもな方法を紹介します。

• 廃棄を減らす
• 仕入れ値を下げる
• PB（プライベートブランド）を増やす

商品の廃棄が減らせると、原価率が抑えやすくなります。原価率をおさえて利益率を上げているスーパーは、廃棄する食材が少なく在庫管理がしっかり行なえている可能性があります。

利益率だけでは自分との相性が測れない

利益率だけでは、自分と相性のいいスーパーかどうかは分からない理由について解説します。

上場していないスーパーも多い

上場して株式公開していないスーパーマーケットも多いです。そのため、利益率が分からなくとも、ランキング以外にも利益率の良いスーパーマーケットがある可能性があります。

また、利益率だけでは働きやすさは分かりません。

利益率が低くても働きやすいスーパーはある

利益率が高くなくても、従業員が働きやすいスーパーは数多くあります。働きやすいスーパーの特徴を紹介します。

仕事内容	鮮魚や精肉など希望する業務につけるチーフや店長など役職につける
休日・労働時間	休みが取りやすい従業員の人数が多いので、出勤日が調整しやすい残業が少ない
給料	給料が高い資格手当や資格取得支援制度がある
職場環境	人間関係が良好

自分にとって働きやすいかどうかはさまざまな要因で決まります。利益率は企業の収益を見るうえで重要ですが、利益率だけで判断してしまうと、自分と相性のいいスーパーを見落としかねません。

例えば、「転勤のないスーパーに転職」したことで家族を含めた将来設計が立てやすくなり、転職前に比べて人生の満足度があがった例などがあります。

利益率の高いスーパーマーケットは大手が多いですが、全国に店舗を展開しているような大手スーパーマーケットは転勤がある可能性が高いです。

スーパーに転職を考えている場合は、業務内容や職場の雰囲気などを確認して、自分に合うスーパーかどうか判断しましょう。

また、就労環境の内情に詳しい専門のエージェントに確認することも１つの方法です。

専門のエージェントは数々の事例を知っているため、転職の際に何をポイントにすべきか参考になる話を得られることも多いです。

給料は利益率だけでは決定しない

利益率の高いスーパーマーケットが、給与が高いとは限りません。

上場していないため利益率が分からないスーパーマーケットの給与が高い場合や、経営の戦略で一次的に利益率が低くなっている場合、利益率が低くとも総じて利益が高く、給与に還元されている場合などがあるためです。

例えば、大手スーパーマーケットであるロピアのチーフの平均年収は714万円、年収1,000万を超える人もいると言われています。

自己分析と企業研究が大切

自分とマッチしたスーパーを見つけるには、自己分析と企業研究が大切です。自分の強みと企業の特徴を理解して、相性のいいスーパーを見つけましょう。自己分析で振り返りたい項目と、企業研究でチェックしたい項目を下表にまとめました。

自己分析で振り返る項目	スーパーでどんな仕事がしたいか どんな労働条件で働きたいか どんな職場環境が理想か 今までの実務経験で活かせるスキルは何か 仕事をするうえで大事にしていることは何か
企業研究でチェックする項目	スーパーが求める人材像はどんな人物か スーパー業界の順位やシェアはどれくらいか 今後はどんな事業展開を考えているか 経営理念は何か

スーパーの雰囲気を確認する場合、実際に店舗に足を運びましょう。

転職先に迷ったら転職エージェントを活用

転職先に迷ったり、企業研究をする時間がなかったりする場合、転職エージェントの活用がおすすめです。鮮魚や精肉など生鮮業界に特化した転職エージェントは、スーパーの求人を数多く保有しており、スーパーの企業情報にも詳しいからです。

転職エージェントを活用するメリットを紹介します。

メリット	内容
求人紹介	自分の希望条件に合ったスーパーの求人紹介 スキルが活かせるスーパーの求人紹介 求人サイトに掲載されていない優良求人の紹介
転職支援	履歴書や職務経歴書の作成支援面接対策の実施面接日の調整や年収交渉の代行
アフターフォロー	面接内容のフィードバッグ内定後、入社日の調整の代行

転職エージェントを活用することで、求人紹介から内定後のフォローまで受けられます。在職中で忙しい方でも効率的な転職活動ができます。

利益率からスーパーの特徴を確認しよう

スーパーの利益率ランキングについて紹介しました。利益率の高いスーパーは、それぞれ魅力的な特徴を持っています。スーパーの利益率から、収益の健全性やブランド力などが分かります。

「利益率の高いスーパーに転職したい」「利益率が高くなくても自分に合ったスーパーに転職したい」方は、生鮮業界に特化している転職エージェントをぜひご活用ください。