魚を捌く仕事の内容や労働環境を解説！スキルを磨く方法も

【勤務先別】魚を捌く仕事の内容

勤務先別に、仕事内容について解説します。

鮮魚店での仕事内容

鮮魚店での仕事内容は、魚の加工や仕入などです。具体的な内容は以下のとおりです。

• 魚を捌く
• 販売・接客
• 配達
• 洗い物・清掃
• 市場へ魚を仕入れに行く

魚を捌く際は、二枚おろしや三枚おろし、刺身など決まった捌き方をするほか、お客様のニーズに合わせて希望通りのサイズに切ります。

なかには、飲食店や介護施設などに配達へ行くこともあります。スーパーや百貨店に入っている鮮魚店や鮮魚部門で働く場合、接客する機会が少ないケースも多いです。

飲食店での仕事内容

魚が捌ける飲食店は、和食料理店や料亭、レストラン、居酒屋などさまざまな種類があります。飲食店でのおもな業務内容を紹介します。

• 料理に使う魚を捌く
• 調理
• 味付け
• 接客
• 洗い物・清掃

飲食店で働いた場合、お客様に出す料理の調理まで行います。そのため、調理のスキルや味付けの感覚も身につきます。

高級レストランや料亭などでは、鯛やイセエビなど高級食材を扱うことも多いです。飲食店によっては、まかないがある店舗もあります。

魚加工工場での仕事内容

魚工場は、市場や料亭、学校などに届ける魚を捌きます。工場で行なう仕事内容はこちらです。

• 1次加工では内蔵処理
• 2次加工では切り身や刺身
• 箱詰め作業など

魚工場は丸物という水揚げされたままの無加工の鮮魚をまるごと一匹捌きます。マグロなどの大型の魚や、フグなど資格が必要な魚を捌く機会も多いです。大量の魚を捌くため、工程ごとにチームで分かれている工場もあります。

工場長に昇格した場合、取引先とのスケジュール調整なども行います。

魚を捌く仕事に必要なスキルや免許

魚を捌く仕事に必要なスキルや免許を紹介します。

魚を捌く技能と練習への意欲

魚を捌く仕事は、魚を捌く技能と練習する意欲が必要です。

キャリア採用の場合、魚を捌く技能がまず求められます。きれいに捌くだけでなく、スピードが求められることも多いです。そのため、素早く、身をきれいに残して捌くスキルが必要です。

店舗によっては、未経験者を積極的に採用しているところがあります。未経験者は、魚捌きのスキルを練習して身につけたいという意欲の高さが評価されやすいです。入社後、先輩とマンツーマンで魚を捌く練習をする機会がある店舗もあります。

魚が好きなことと好奇心

魚を捌く仕事には、魚が好きであることと、魚に対しての興味や好奇心が求められます。鮮魚店や魚工場は、毎日大量の魚を扱うため、魚が好きな人に向いている仕事だからです。

店舗によっては、5人ほどのメンバーで毎日数百匹の魚を捌くところもあります。

魚は、大きい魚や小さい魚、柔らかい身で捌きにくい魚、捌くのに力がいる魚など、それぞれに特徴があるものです。多種多様な魚を数多く捌く場合、魚が好きであれば、楽しんで取り組みやすくなります。

魚を捌く免許はアピール材料になる

魚に関する免許を持っている場合、転職の採用面接で強みとして自己アピールに使える材料になります。資格や免許があれば、熱意も伝わりやすいものです。

魚に関する免許は以下のものがあります。

免許	証明できること
調理師免許	調理の技術と食に関する知識
ふぐ調理師免許	ふぐを捌く技術
食品衛生管理者	食品の衛生管理に対する知識

ふぐを捌くには、ふぐ調理師免許が必要です。そのため資格を保有していると即戦力になれるとアピールできます。

魚を捌ける仕事のやりがい

魚を捌ける仕事のやりがいを紹介します。

旬の魚や珍しい魚などが扱える

季節ごとに扱う魚が変わり、その地域ならではの魚や珍しい魚に出会えることもやりがいのひとつです。季節によって変わる旬の魚の例を紹介します。

季節	魚
春	サヨリ、アジ
夏	キハダマグロ、アナゴ
秋	サケ、戻りガツオ
冬	タイ、タラ、サバ

1年を通してメインとなる魚が異なるため、飽きることはありません。また、北陸などで水揚げされる高級魚のアカムツ（のどぐろ）や高知県のカツオなど、勤務地によって地域特有の魚が扱えるのも魅力です。

魚を捌く仕事に集中できる

魚を捌く仕事のなかには、あまり人と話すことなく、自分の仕事に集中できるものも多いです。

周囲の人と頻繁にコミュニケーションをとるのが好きでない方にとっては、マイペースでもくもくと働ける環境は理想的といえます。

スーパーでは、商品を売場に陳列する以外は接客する機会があまりありません。営業やサービス業のように、自分からお客様に働きかける場面は少ないです。そのため、魚を捌く仕事に専念でき、包丁の腕前を上げていくことができます。

腕利きの先輩から技術を学べる

魚を捌く仕事に就くと、経験が豊富な先輩から実践的な技術を直接学ぶことができます。魚の関節を見つけて、手首に負担をかけずに切る方法など、動画や独学では学びにくいテクニックも習得可能です。

これまでの経歴にもよりますが、鮮魚店などでは、上司や先輩から魚の捌き方についてしっかり教わります。

働いて給料をもらいながら、目の前でベテランの技術を見て学び、実際に手を動かしていくことで、自分のスキルも磨いていけます。

魚を捌くスキルが活かせる職場の選び方

魚を捌くスキルが活かせる職場の選び方について解説します。

スーパーなどの鮮魚部門

スーパーや百貨店などの鮮魚部門では、魚を捌くスキルが活かせます。とくに鮮魚の販売をウリにしているスーパーがおすすめです。

毎日、卸売市場から新鮮な魚を仕入れて、店舗で捌いて店頭に出しているため、日々の仕事を通じてスキルアップできます。

一方で、大手のスーパーのなかには、すでに捌かれた魚を一部入荷して販売しているところがあります。大手スーパーの場合、プロセスセンターという魚の加工工場を持っているところが多いからです。

「年収の高い大手スーパーで働きたいし、魚も捌きたい」という方は、転職エージェントなどを活用して、希望しているスーパーの鮮魚部門でどれくらい魚が捌けるかなどくわしい仕事内容を確認しましょう。

和食系の飲食店

和食系の飲食店は、メニューに魚料理がある店舗も多いです。そのため、魚を捌く機会が豊富にあります。寿司店の場合は、卸売市場から鮮魚を仕入れているところが多いため、鮮魚を使ったネタの仕込みや調理も担当できます。

また、飲食店は、魚を捌くキッチン担当と接客するホール担当が分かれているところも多いです。そのため、「完全に裏方で働いて、接客するより調理がしたい」という方は、飲食店が働きやすい職場環境の可能性もあります。

ただし、一部の店舗ではカウンター越しに調理の様子を見せるスタイルのところもあります。この場合は、お客様への接客が発生します。接客をどこまでしたいか考えて、店舗選びをするのもひとつの方法です。

魚を専門に扱う鮮魚店

鮮魚店は、魚種の豊富さと鮮度の高さにこだわっている店舗が多いです。幅広い種類の魚が捌ける方は、スキルがより活かせます。対面販売でお客様とのコミュニケーションを楽しみたい方や、魚の惣菜作りに興味がある方にとっても、鮮魚店は向いている職場です。

複数の漁港のセリ権を持っている鮮魚店の場合、より新鮮で質の高い魚を競り落とすため、毎日新鮮で種類豊富な魚を扱うことができます。

鮮魚店は午後からは焼き魚や煮魚など魚総菜を作って販売するところが多いため、料理のスキルを身につけることが可能です。鮮魚店の求人は、求人サイトや転職エージェントなどで見つけられます。転職エージェントは、サイトで公開していない非公開求人も多いです。

魚をあつかう市場

魚をあつかう市場でもまた、魚を捌くスキルが必要です。

魚をあつかう市場は魚市（うおいち、さかないち）と呼ばれたり、魚河岸（うおがし）と呼ばれたりもします。

魚を扱う市場では、捌かない状態の魚がそのまま飲食店やスーパーに出荷されることもありますが、大型の魚は扱いやすいよう捌かれた状態で出荷されます。魚が流通しやすい捌くことが大切なため、魚を捌くスキルが活かせます。

寿司屋

経済産業省が集計した結果によると、令和3年（2021年）の「すし屋の事業所数」は17,388件ほどで、多くの寿司屋で魚を捌くスキルが活かせます。

寿司屋では柵で入荷した魚を朝スライスし、保管するなどの作業を行います。

目の前で魚を捌いてくれる寿司屋は人気もあり、そのような寿司屋ではとくに魚を捌くスキルが必要とされます。

寿司屋チェーンの中には、全てではないにしろ、すでに捌かれた状態の魚を入荷しているところもあるため包丁捌きのスキルを活かしたい場合はどのくらい魚が捌けるのか、詳しい仕事内容を確認すると良いでしょう。

魚捌きの技術が活かせる職場を見つけよう

魚を捌く仕事は、魚を捌いた経験や技能などが求められます。

働く場所も様々ですが、求人票には掲載されていない求人を専門エージェントは紹介できる可能性があります。

転職を考えている方は、ぜひ生鮮業界に特化した転職エージェントにご相談ください。

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