スーパーマーケット業界は、普段の生活に欠かせない業界の一つです。需要が途絶えることはないため、突然業界が衰退することはありません。 しかし、スーパーマーケット業界に従事する方のなかには、「漠然と将来性に不安を抱えている」「今後も活躍するためにはどうすればよいか分からない」という人もいるでしょう。 この記事では、スーパーマーケット業界における基礎情報や、市場規模・将来性などを解説します。 今後生き残る可能性があるスーパーマーケットの特徴や求められるスキルも紹介するため、この業界で活躍したい方は、ぜひ参考にしてください。
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目次
- スーパーマーケット業界の基礎情報|種類・利益構造も
- スーパーマーケット業界の市場規模は?|現状・将来性も
- スーパーマーケット業界の現状
- スーパーマーケット業界の将来性
- スーパーマーケット業界における今後の課題
- スーパーマーケット業界で将来的に変わる可能性があること
- 接客方法:セルフレジやロボットによる接客で人材不足を解消
- 購入方法:ロボットによる配送で高齢者支援
- 広告方法:あたらしい技術でよりフレキシブルな情報配信
- 今後生き残りやすいスーパーマーケットの特徴
- 顧客視点に立った戦略を練ることができている
- 周囲の競合を踏まえたポジショニングができている
- デジタル領域に力を入れている
- プライベートブランド商品の開発に力を入れている
- スーパーマーケット業界で将来的に求められる人材になる方法
- スーパーマーケット業界の将来性は明るい
スーパーマーケット業界の基礎情報|種類・利益構造も
スーパーマーケット業界とは、食料品や日用品、家庭用品などを中心に取り扱う業界のことを指します。近年は、顧客のニーズに応えたり、他社との差別化を図ったりするために、様々な形態のスーパーマーケットが増えている状況です。
ひとえにスーパーマーケットといっても、次のような種類の店舗があります。
店舗の種類 | 特徴 |
---|---|
スーパーマーケット(SM) | 食料品や日用品をメインに取り扱うスーパーマーケットのことです。 住宅街やベッドタウンなどに多くあります。 ●例 ・ロピア(株式会社ロピア) ・Aコープ(株式会社Aコープ東日本、他エーコープグループ会社) ・おっ母さん(株式会社三和) ・スーパーバリュー(株式会社スーパーバリュー) ・マルエツ(株式会社マルエツ) ・サミット(サミット株式会社) ・まいばすけっと(まいばすけっと株式会社) など |
総合スーパーマーケット (GMS) | 食料品や日用品とあわせて、衣料品や家具家電などを取り扱うスーパーマーケットのことです。 ●例 ・イオン(イオンリテール株式会社、他イオングループの会社) ・ライフ(株式会社ライフコーポレーション) ・イトーヨーカドー(セブン&アイ・ホールディングス) ・ダイエー(株式会社ダイエー) ・西友(株式会社西友) など |
業務用スーパー | 業者が利用するスーパーマーケットのことです。メイン顧客層が業者の分、製品容量が多いことが特徴です。 ●例 ・業務スーパー(株式会社神戸物産) ・A-プライス(株式会社トーホーキャッシュアンドキャリー) ・業務スーパー・マキヤ(株式会社マキヤ) など |
高級スーパー | 産地にこだわった食料品を取り扱う、高級路線のスーパーマーケットのことです。 ●例 ・成城石井(株式会社 成城石井) ・KINOKUNIYA(株式会社紀ノ國屋) ・久世福商店(株式会社 サンクゼール) など |
ネットスーパー | WEB上で展開するスーパーマーケットのことです。高齢化や巣ごもり傾向の増加によって、需要が高まっています。 ●例 ・Amazonフレッシュ(Amazon) ●ネットスーパーをとりいれているスーパー例 ・楽天西友ネットスーパー(楽天グループ株式会社/株式会社西友) ・ライフ(株式会社ライフコーポレーション) ・イトーヨーカドー(セブン&アイ・ホールディングス) ・ダイエー(株式会社ダイエー) など |
ディスカウントストア | 低価格販売を基本的な戦略としているスーパーマーケットのことです。 低仕入価格・低マージン・高回転率などにより、商品を安く提供することを実現しています。 ●例 ・ドン・キホーテ ・オーケー(オーケー株式会社) など |
スーパーマーケット業界では、仕入れ値(原価)に利益を乗せて商品を販売することで利益を得ています。基本的には、商品のカテゴリーによって目標とする利益率は異なります。
一般社団法人全国スーパーマーケット協会の調査によると、商品カテゴリー別の目標利益率平均は次のとおりです。
商品カテゴリー | 目標利益率平均 |
---|---|
惣菜 | 37.8% |
畜産 | 28.3% |
水産 | 27.8% |
日配品 | 23.1% |
青果 | 23% |
非食品 | 21.2% |
一般食品 | 19.8% |
多くのスーパーマーケットでは顧客のニーズに応えつつ、利益率の高いカテゴリーと利益率の低いカテゴリーのバランスを整えながら経営しています。
スーパーマーケット業界の市場規模は?|現状・将来性も
結論、スーパーマーケット業界は人々の生活に密着しながら市場規模を維持しているため、数年後に突然仕事がなくなることは考えにくいでしょう。
厚生労働省が運営する「jobtag」では、2022年におけるスーパーマーケット業界(スーパー店員)に携わる就業者のデータを次のようにまとめています。
項目 | 詳細 |
---|---|
就業者数 | 3,291,060人 |
就労時間 | 163時間 |
平均年収 | 357.7万円 |
平均年齢 | 42.6歳 |
有効求人倍率 | 2.22倍 |
有効求人倍率とは、ハローワークの求人数を求職者数で割った数値のことです。有効求人倍率が高いほど、一人あたりの求人が多い、つまり仕事が探しやすいことを意味します。
2022年9月から2023年9月までにおける全業種の有効求人倍率は、1.3倍前後で推移しています。一方で、スーパーマーケット業界の有効求人倍率は2.22倍と、全業種の平均よりも高い水準です。つまり、スーパーマーケット業界は比較的仕事を探しやすい業界だということです。
(出典:独立行政法人労働制作研究・研修機構「職業紹介-都道府県別有効求人倍率」)
有効求人倍率を用いてスーパーマーケット業界の雇用状況をチェックすると、今後も働き先を見つけやすいといえます。
以下では、スーパーマーケット業界の現状や将来性について詳しく解説します。
スーパーマーケット業界の現状
スーパーマーケット業界の現状は、店舗数・総販売額のすべてが微増傾向にあります。一般社団法人全国スーパーマーケット協会の「スーパーマーケット白書」によると、次のようなデータが出ています。
項目 | 2020年 | 2021年 | 2022年 |
---|---|---|---|
店舗数 | 22,434店舗 | 22,762店舗 | 23,028店舗 |
総販売額 | 約24.3兆円 | 約25.2兆円 | 約25.5兆円 |
2020年から2021年までの1年間で総販売額が約1兆円規模で伸びた要因は、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要が増えたためです(巣ごもり需要によって、日用品や総菜などの購入が増加)。新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いた後も、総販売額は緩やかに伸びています。
スーパーマーケット業界は地域住民の生活と密接しており、ほかの業界と比較しても市場規模が大きく、安定性が高い業界の一つです。
スーパーマーケット業界の将来性
上記にも記載の通り、スーパーマーケット業界は生活に欠かせない業界のため、今後、数十年で消滅する可能性はゼロに等しいといえます。
各社が様々な取り組みを進めるなかで、直近では下記のような動きが見られます。
- プライベートブランドの開発・発展
- ネットスーパーの普及
プライベートブランドとは、スーパーマーケットが独自開発している商品のことを指します。業界大手のスーパーマーケットを中心に、プライベートブランドの開発・発展に力を注いでいます。
プライベートブランドはスーパーマーケットが自社で製造から流通までを一貫して担っているため、質の良い製品をより安価で提供することが可能です。そのため顧客からは非常に人気です。実際に、プライベートブランドを活用して業績を大きく伸ばしているスーパーマーケットは少なくありません。
近年ではネットスーパーを活用し、新たな販路を獲得する店舗も増えています。ネットスーパーは、新型コロナウイルスの感染拡大時期に大幅に普及しました。
ネットスーパーを取り入れている店舗では、「悪天候のときに売上が下がること」や「来店が難しい高齢者の足がお店から遠のいてしまうこと」の改善を実現しています
ただし、ネットスーパーには「鮮度の問題」「配達者の確保」など、いくつかの課題もあります。これらの課題を改善していけば、ネットスーパーは業界にとって、将来性の高いビジネスモデルとなるでしょう。
スーパーマーケット業界における今後の課題
スーパーマーケット業界における今後の課題として、次の2つがあります。
- 少子高齢化による市場縮小
- 人材確保の激化
スーパーマーケット業界は、顧客が商品を購入することで収益が生まれるビジネスモデルです。日本では少子高齢化が進んでおり、人口が減少し続けています。
人口が減ればスーパーマーケットを利用する顧客数が減るため、市場が縮小することは避けられません。市場縮小に対抗するために、リピート顧客と新規顧客の両方を確保する施策が求められます。
近年は働き盛りの世代人口が減っているため、人材確保が難しい傾向です。スーパーマーケット業界では、派遣社員やアルバイトなどを活用しながら人材不足対策をしている店舗がほとんどです。
正社員として活躍する人材を確保できなければ、プライベートブランドの開発やネットスーパーの推進などで他社に後れをとってしまう可能性が否めません。
とはいえ、少子高齢化や人口減少による問題は、どの業界も抱えている課題です。スーパーマーケット業界ならではの課題は少なく、「長く仕事できるか」という観点で見ると、数ある業界のなかでも将来性は決して暗くないといえます。
スーパーマーケット業界で将来的に変わる可能性があること
スーパーマーケット業界では、従来のよさを残しつつ、将来的に変わっていく部分も少なくありません。例えば、店舗で実際の商品を目で確かめながら購入できるよさは、今後も残り続けるでしょう。
以下では、スーパーマーケット業界で変わる可能性がある内容について、次の項目に分けて解説します。
- 接客方法
- 購買方法
- 広告方法
変わる可能性がある内容を知っておけば、スーパーマーケット業界の将来性について違った角度から考えられます。
接客方法:セルフレジやロボットによる接客で人材不足を解消
現在はセルフレジを取り入れるスーパーマーケットが増えています。その中でも店員がレジ打ちを担当し、清算は顧客自身で行う分業制のセミセルフレジが主流です。
今後もより一層セルフレジが普及すると考えられます。カゴを指定の場所へ置くだけで自動的に会計してくれる完全なセルフレジも一部で実用化されています。
人材不足を解消するために、人工知能を搭載したロボットによる接客も進むと予測できます。ロボット活用が進めば、店員のスキルによって生じていた接客レベルの差も解消できます。
購入方法:ロボットによる配送で高齢者支援
これまでは顧客自身が店舗へ訪問することが主流であったものの、今後はロボットによる配送が定着することが考えられます。
すでに海外では、自律走行型配達ロボットを使った配達サービスを試験的に行っている企業が出てきています。国内でロボットによる配送が定着すれば、スーパーへ行けない高齢者の買い物を手助けできるようになるでしょう。
店内ではショッピングカートにタブレットが付属し、商品・クーポン情報が自動で配信される時代が訪れるかもしれません。タブレットによる情報発信により利便性が高まり、リピート顧客を獲得するきっかけ作りになります。
広告方法:あたらしい技術でよりフレキシブルな情報配信
現在は、チラシを出したりアプリで配信したりする広告方法が主流ですが、今後はBeaconと呼ばれる技術を用いて、店舗周辺に訪れた顧客に対して、商品やクーポン、セール情報を配信できるようになるかもしれません。
海外の一部の国では、Beaconを使った広告方法がすでに実用化されています。自社情報を効率的に顧客へお届けできるため、広告費削減につながります。
今後生き残りやすいスーパーマーケットの特徴
スーパーマーケット業界自体は微成長傾向ですが、なかには倒産する業者も存在します。スーパーマーケット業界で長く活躍するためには、今後も長く生き残る可能性が高い店舗で勤めることが大切です。
下記は、今後も長く生き残りやすいスーパーマーケットの特徴です。
- 顧客視点に立った戦略を練ることができている
- 周囲の競合を踏まえたポジショニングができている
- デジタル領域に力を入れている
- プライベートブランド商品の開発に力を入れている
以下では、各項目について詳しく解説します。
顧客視点に立った戦略を練ることができている
顧客視点に立った戦略を練ることができているスーパーマーケットは、将来的に生き残りやすいといえます。今後スーパーマーケットが生き残っていくためには、顧客をファンにしていくことが欠かせません。
スーパーマーケット都合主体の販売方法や接客を進めると、顧客離れが加速しやすくなるでしょう。
顧客のなかには、例えお店が住んでいる場所から遠くにあったとしても「買い物しやすいから」という理由でリピート顧客になってくださる方も多く存在します。顧客の声を汲み取る体制を整えているスーパーマーケットは、今後も生き残り続けると考えられます。
周囲の競合を踏まえたポジショニングができている
周辺の競合を踏まえたポジショニングができているスーパーマーケットも、将来的に生き残りやすいといえます。特定の地域にはいくつかのスーパーマーケットが点在することが多いですが、
他店と同じようなセールス手法をとったり、狙う顧客層が被ってしまったりすると生き残りが難しくなることは避けられません。特に業界大手のスーパーマーケットが存在する地域では、他店と比較した上での優位性あるポジショニングを確立できるかがより重要になります。
例えば「周囲からどのように見られているのか」「顧客から求められていることは何なのか」などを客観的に把握している店舗は、競合を踏まえたポジショニングができている、と言えるでしょう。
自社を客観視するスーパーマーケットは、他店との差別化を図る戦略を練ることができます。
デジタル領域に力を入れている
近年は、年齢を問わず多くの方がインターネットやSNSで情報を集めている時代です。
テレビCMやチラシなどをチェックする方は減っており、従来メディアを使った広告による反響は得にくくなっています。
インターネットやSNSでプロモーションすることに成功しているスーパーマーケットのなかには、「この店舗だから購入したい」という顧客のファン化に成功しているところも少なくありません。
デジタル領域に力を入れているのかを判断したい場合は、コーポレートサイトやSNSアカウントをチェックすることがおすすめです。定期的に更新しているようであれば、デジタル領域に力を入れているスーパーマーケットだと判断できます。
プライベートブランド商品の開発に力を入れている
前述したとおり、顧客のなかには安くて高品質なプライベートブランド商品を購入する方が多くいます。実際に業界大手のスーパーマーケットでは、プライベートブランドの開発に注力して業績を大きく伸ばしているところが多いです。
プライベートブランドを販売するだけでなく、顧客ニーズから逆算して商品開発をしているスーパーマーケットはより高い確率で生き残りやすくなります。顧客ニーズからプライベートブランドを開発すれば「私のことを分かってくれている」と顧客に思っていただけるようになり、結果的にファンが増えます。
ほかのスーパーマーケットにはない付加価値によりリピート顧客を獲得しやすくなり、安定的に業績を伸ばせるでしょう。
スーパーマーケット業界で将来的に求められる人材になる方法
今後のスーパーマーケット業界では、接客力やコミュニケーションスキルなど、普遍的な能力だけでなく、次のようなスキルがあると更に評価されやすくなります。
- 商品企画力
- IT領域に関する知識
- SNSマーケティングスキル
近年のスーパーマーケット業界では、プライベートブランドの開発に力を入れる店舗が増えています。そのため、商品企画力が求められるケースが一定数あります。顧客がどのような商品を求めているのかを察知する力があると、評価されやすくなるでしょう。
IT領域に関する知識も、今後のスーパーマーケット業界で求められるスキルの一つです。将来的に人材不足になる店舗も増えることから、業務の効率化を進めるために簡易的なシステムを開発できると重宝される人材になります。
今後のスーパーマーケット業界では、他社との差別化を図る取り組みとして、SNSを使うシーンが増えます。SNSを使ったプロモーション企画やリスクマネジメントができる人材は、スーパーマーケット業界に欠かせません。
スーパーマーケット業界の将来性は明るい
スーパーマーケット業界は業界特有の課題が少なく、将来性が明るい業界の一つです。実際に過去3年のデータを見ても、店舗数や総販売額は微増傾向にあります。
ただし、ほかの業界と同様に今後は少子高齢化に伴う市場縮小は避けられません。そのなかで生き残るスーパーマーケットを選ぶためには、「顧客視点に立っている」「優位に立てるポジショニングができている」といった店舗を選ぶ必要があります。
将来性のあるスーパーマーケットに勤めたい方は、今後求められるであろうスキルを身につけることも忘れずに取り組みましょう。
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