居酒屋店長の平均年収はいくら？求人の特徴から年収アップするまでを徹底解説！

居酒屋店長はシフト調整や売上管理、受発注などの様々な業務が求められるポジションです。やりがいがある仕事の一方で、労働環境が悪い・年収が低いといった声が少なくありません。

実際に居酒屋で店長をしている、もしくはこれから店長を目指したい方のなかには、「居酒屋店長の平均年収や給料体系が気になる」という方もいるのではないでしょうか。

この記事では、居酒屋店長の平均年収・給料体系から、求人で年収に開きがある理由、年収をアップするコツなどを解説します。今の年収が適切なのかを判断するきっかけになるため、収入面に不満を持つ居酒屋店長はぜひ参考にしてください。

居酒屋店長の平均年収

転職サイトの一つであるインディードによると、2024年1月時点で居酒屋店長を含む飲食店の店長・マネージャーの平均年収は約362万円です。月給で換算すると、25万円前後が相場といえます。

国内の平均年収は国税庁の「令和4年分民間給与実態統計調査結果について」で述べられており、458万円となっています。居酒屋店長の平均年収は、国内の平均年収よりも100万円ほど低い水準です。

とはいえ、居酒屋店長の平均年収は、事業規模によって異なります。基本的には、大手チェーンの店長になるほど年収は高くなる傾向です。大手チェーンが出す求人を転職サイトで見ると、年収500万円以上を提示するものが少なくありません。

個人で居酒屋を経営している店長は、売上の3〜4割程度が年収になる場合がほとんどです。例えば、年間売上が1,000万円の居酒屋であれば、店長の年収は300〜400万円となります。

居酒屋店長の年収に関わる項目

居酒屋店長の収入は、基本給以外に下記の手当などによって構成されます。

• 歩合給
• 残業代
• 諸手当
• 賞与

ここからは、各手当などの概要について紹介します。

歩合給

歩合とは、売上に応じて変動する賃金のことです。ノルマとして課せられている売上を超えた部分の数%が支給される仕組みです。例えば、ノルマを超えた金額が100万円で歩合給の割合が5％のときは、給料が5万円アップする計算となります。

ただし、ノルマを超えられなければ、歩合給は支給されません。

居酒屋店長は、給料の一部が歩合給になっていることがほとんどです。なかには、賞与と歩合給が連動している居酒屋も見られます。

残業代

居酒屋店長の場合、残業代はみなし残業代になっていることがほとんどです。みなし残業代とは、一定時間の残業代をあらかじめ給与に含めた給料体系を指します。

みなし残業代を採用した求人は、「月給30万円みなし残業代（月30時間分5.5万円）という記載となっています。

みなし残業代によるメリットは、残業時間が少なくてもみなし残業代に含まれる賃金を得られることです。一方で、勤怠管理を厳密にしなければ、超過分の残業代をもらい損ねる恐れがあります。

諸手当

大手の飲食チェーンでは、歩合給や賞与とは別に諸手当が用意されています。居酒屋店長に設けられている諸手当の一例は次のとおりです。

• 交通費
• 家族手当
• 役職手当
• 住宅手当　など

諸手当が多くあると、月々で得られるお金は多くなります。諸手当が充実した居酒屋へ勤められれば、1ヶ月あたり数万円単位で収入が増えるケースが珍しくありません。

一方、小規模の居酒屋では、資金の兼ね合いで諸手当を採用できないことがほとんどです。

近年は、新型コロナウイルスの感染拡大により売上が落ち込んだ居酒屋が多く、諸手当を縮小する店舗も見られます。

賞与

居酒屋店長の賞与相場は、月給の1〜3ヶ月分です。優良企業が運営する居酒屋であれば、賞与が3ヶ月以上に定められていることもあります。

居酒屋によっては、賞与を「月給の〇ヶ月分」とは決めずに業績連動にしていることも珍しくありません。業績連動とは売上が立つほど、受け取れる賞与が増える仕組みです。一方で、売上が下がったり、ノルマを達成できなかったりする場合は、得られる賞与が少なくなることを知っておいてください。

賞与の仕組みは企業によって異なるため、同じ規模感の居酒屋であっても、受け取れる額に差が生じます。

居酒屋店長の求人で年収の開きが大きい理由

居酒屋店長の求人で年収の開きが大きい理由は、求人によって表記の仕方や働く環境に違いがあるためです。一見すると、年収が低い求人に思えても、実際は多くの収入を得られる場合もあります。

反対に、多くの年収を得られるものの、時給換算すると収入が低く感じられる求人も少なくありません。「居酒屋店長を目指したい」「転職してよい環境で居酒屋店長を続けたい」という方は、年収が高いもしくは低い求人の特徴を知ることが大切です。

以下では、年収が高い求人と年収が低い求人の特徴を解説します。

年収が高い求人の特徴

年収が高い求人の特徴は、次のとおりです。

• 月給のなかに固定残業代が含まれている
• 売上に応じた歩合が設けられている
• 平均勤務日数が多い

月給のなかに固定残業代が含まれる求人は、年収が高く見えやすい傾向です。月給とは別に「固定残業代〇円/〇時間」と記されているため、月給から固定残業代を引けば、基本給を割り出せます。

年収が高い求人の特徴は、売上に応じた歩合が設けられていることです。歩合があれば売上を上げるにつれて、月給もしくは賞与で得られる金額が高くなります。ただし、求人のモデル年収は売上がよいときの金額であるケースがほとんどです。売上が振るわない場合は、モデル年収よりも収入が低くなることが珍しくありません。

平均勤務日数が多い求人も、年収が高くなることが一般的です。居酒屋店長の働き方は、シフト制がほとんどで、1ヶ月あたり22〜25日程度出勤します。平均出勤日数が多い居酒屋では、月収30万円以上を狙いやすくなります。しかし、実務がハードになるため、しっかりとした体調管理が重要です。

年収が低い求人の特徴

年収が低い求人の特徴として、下記のことが挙げられます。

• 月給に基本給のみを記載している
• 店舗の都合で残業が少ない
• 賞与が設けられていない

居酒屋店長向けの求人のなかには、月給に基本給のみを掲載した求人も存在します。固定残業代を含めた求人と比較すると、基本給のみの求人は想定年収が低くなる傾向です。しかし、想定残業時間が多い職場を選ぶと、実際の収入は固定残業時間を設けた居酒屋よりも高くなる可能性がゼロではありません。

店舗の都合で残業時間が少ない求人も、年収が低くなりやすい傾向です。居酒屋店長の収入は、残業したり売上を伸ばしたりすることで伸びます。残業が少ない居酒屋へ勤めれば、収入こそ低くなるものの、仕事に追われにくくプライベートが充実しやすくなります。

年収が低い居酒屋店長向けの求人は、賞与が設けられていないことがほとんどです。求人を見る際は、給与欄だけでなく福利厚生・待遇欄もチェックし、賞与の有無を把握しておきましょう。

【店長を目指す方向け】働きやすい居酒屋を見つける際にチェックすべきポイント

これから居酒屋の店長を目指す方は、長く勤められる働きやすい職場を見つけることが大切です。同じ職場へ長く勤めると、スキルを伸ばしたり収入を高めたりすることがしやすくなります。

働きやすい居酒屋を見つけるためには、次のポイントをチェックしましょう。

• 平均残業時間の長さ
• 雇用契約の内容
• 職場の雰囲気

以下では、働きやすい居酒屋を見つける際にチェックすべきポイントを詳しく解説します。

平均残業時間の長さ

働きやすい居酒屋を見つけたい方は、平均残業時間を確認することが大切です。居酒屋のなかには、早出出勤やサービス残業が当たり前になっている職場も少なくありません。

所定時間外の仕事が増えると、体調を崩しやすくなるだけでなく、プライベートの時間を確保することが難しくなります。いくら高年収を目指せたとしても、仕事とプライベートのどちらも充実できなければ、働きやすさは損なわれます。

面接で平均残業時間をたずねる場合は、最後に設けられている「逆質問」を使うことが有効です。「差し支えなければ」と前置きし、家庭環境の説明をしつつ1週間のスケジュール感とあわせて残業時間について質問するとよいでしょう。

雇用契約の内容

居酒屋店長を目指す方は、雇用契約の内容を必ずチェックしてください。飲食チェーンのなかには、店長・店長候補者を正社員で雇用するのではなく、個人事業主として契約する場合があります。

個人事業主として契約すると社員ではないという理由から、不当な扱いを受ける可能性がゼロではありません。例えば、残業代を支払ってもらえない・達成困難なノルマを課せられるなど、不満を持ちながら働くことになるかもしれません。

店長・店長候補者として働く際は、雇用契約がどのようになっているのかを確認し、不明点は企業側へ質問することが重要です。

職場の雰囲気

居酒屋店長として長く働くためには、職場の雰囲気をチェックすることが欠かせません。職場の雰囲気が悪ければ、いくら待遇面がよくても、働くことがストレスになります。職場の雰囲気を確認するときは、次の内容に着目しましょう。

• スタッフ同士がコミュニケーションを取れているか
• 特定のスタッフに業務が偏っていないか

面接で業務の偏りやスタッフ同士のコミュニケーションを見ることは困難です。そのため、職場の雰囲気を細かく知りたい方は、転職希望先の居酒屋へお客さんとして訪れることをおすすめします。

住んでいる近くの居酒屋であれば、開店前や閉店後にお店の近くを通ると、早出出勤や残業が多い職場なのかを調べることも可能です。

居酒屋店長が年収アップするコツ

居酒屋店長が年収アップするコツは下記の3つです。

• 売上を伸ばす工夫をする
• 独立して自身で居酒屋を経営する
• エリアマネージャーなどの幹部社員を目指す

以下では、年収を上げるコツを詳しく紹介します。

売上を伸ばす工夫をする

歩合給がある居酒屋の場合は、売上を伸ばす工夫をすることで年収アップを実現できます。売上アップを目指すためには、現場の現状把握をすることが大切です。

お客さんが何を求めているのか・競合と差別化できる部分はどこなのかなどを客観視すると、売上を伸ばす切り口が見つかります。例えば、競合と似たようなメニューを提供している居酒屋であれば、オリジナルメニューを開発することで、売上アップを実現できるかもしれません。

ほかには、顧客向けにアンケートをとることもおすすめです。顧客向けにアンケートを実施すると、職場では見つからなかった強み・弱みが見つかるきっかけになります。

独立して自身で居酒屋を経営する

居酒屋店長が年収アップを目指す際は、独立して居酒屋を経営する方法も有効です。独立すると収入が不安定になるデメリットこそあるものの、売上から経費を差し引いたお金をすべて自身の収入にすることが可能です。

将来的に経営者として成功したい方であれば、雇われて店長をするよりも、独立して居酒屋経営するほうが自分に合う働き方を実現できます。独立する場合は、資金を蓄えるほか、経営やお金に関する知識を身につけることから始めてみましょう。

エリアマネージャーなどの幹部社員を目指す

飲食チェーンの居酒屋で店長をしている方は、エリアマネージャーなどの幹部社員を目指すこともおすすめです。

エリアマネージャーは、担当エリアにある居酒屋の売上や顧客満足度を上げるサポート業務を中心に行います。店長の経験を応用できるため、居酒屋店長がキャリアアップする方法の一つとして人気です。

企業の規模によるものの、エリアマネージャーに昇進できれば、年収500万円以上を目指すことが可能です。

「年収が明らかに低い」などの労働環境が悪い時の対処法

年収が明らかに低い場合は、次で挙げる対処法をとることが大切です。

• 弁護士に相談する
• 労働基準監督署に相談する
• 条件のよい居酒屋へ転職する

自身で労働環境を変えられないときは、外部の力を借りるほか、職場から離れることが大切です。ストレスを抱えながら仕事を続け、体を壊したり心を病んだりすると意味がありません。

以下では、3つの対処法について詳しく解説します。

弁護士に相談する

残業代や休日手当などの未払いによって年収が明らかに低い場合は、弁護士に相談することがおすすめです。未払いの残業代や休日手当などは個人で請求できますが、労力と時間が必要になります。企業との交渉になるため、精神的なストレスも大きくなります。

企業はスタッフの交渉に対して弁護士を立てるケースがほとんどです。弁護士相手になると、個人の知識では太刀打ちできず、未払いの賃金が取り返せないことが珍しくありません。

相談する弁護士は、「残業代請求 弁護士」と検索してヒットする弁護士から選ぶことがおすすめです。

労働基準監督署に相談する

違法な働き方をしている・労働条件に違和感があるという場合は、労働基準監督署に相談することを推奨します。労働基準監督署とは、労働者の相談に乗ったり、企業に対して指導をしたりする厚生労働省が管轄している機関のことです。

例えば、労働基準法に沿って経営していない企業が見つかった場合、労働基準監督署は調査や是正勧告などの対応をとります。明らかに悪質なケースは、経営陣を立件することもあります。

ただし、労働基準監督署は自身と企業の第三者として働き方を仲介する機関ではないことを知っておいてください。労働問題の相談を受け付けている機関であり、民事的な介入はしません。

条件のよい居酒屋へ転職する

労働環境が悪いときは、条件のよい居酒屋へ転職することがおすすめです。仮に自身の働きかけで労働環境が改善したとしても、時間が経つともとの働き方に戻るケースがあとを絶ちません。

転職は弁護士や労働基準監督署へ相談するよりも、手軽に進められる方法です。転職する企業によっては、自身のキャリアを伸ばすきっかけになります。条件のよい居酒屋へ転職すると、今よりも少ない労働時間で高収入を得られるかもしれません。

居酒屋で積んだ経験を活かして転職する場合は、フードコネクトを利用しましょう。フードコネクトは、生鮮・飲食業界の求人に特化した求人サイトです。非公開求人を多数有しているだけでなく、内定獲得率が92.8％と高いことも魅力です。

居酒屋店長で年収に不満があるときは

居酒屋店長の平均年収は約362万円となっています。収入の内訳は、基本給・歩合給・残業代・諸手当・賞与の5つから成り立ちます。基本的には、歩合給や賞与に恵まれている大手チェーンほど、居酒屋店長の平均年収は高くなる傾向です。

居酒屋店長の平均年収と国内の平均年収を比較すると、国内の平均年収のほうが約100万円高い状況です。とはいえ、居酒屋店長であっても、働き方や勤め先次第で、国内の平均年収以上を得られます。

明らかに年収が低い場合は、条件のよい環境へ転職することが一つの手段です。生鮮・飲食業界で転職を目指す方は、フードコネクトを利用することがおすすめです。フードコネクトではホワイト企業を厳選し、待遇面が整った求人を豊富に掲載しています。