ロピアの買収の歴史!勝算と根拠や事業展望も解説

更新日: 2024/07/03

公開日: 2024/03/26

    「ロピアがスーパーバリューを買収したことは経営戦略として良かった?」と気になっていませんか。ロピアはスーパーバリューを買収して売上拡大を続けています。
    本記事では、ロピアがスーパーバリューを買収した背景やロピアの勝算、今後の事業展開の展望などについて解説します。ロピアへの転職を考えている人は参考にしてください。

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    目次

    • ロピアがスーパーバリューを買収
      • スーパーバリューとは
      • スーパーバリューが赤字になった理由
      • ロピアと一緒に取り組むこと
      • 2024年イトーヨーカドーの一部の事業継承発表
    • ロピアの勝算と根拠
      • コストを抑えてエリア拡大
      • 人材などの経営資源を獲得
      • DX化のメリットが大きくなる
    • ロピアの買収の歴史
      • 2018年丸越食品工業を買収
      • 2021年道場六三郎事務所を買収
      • 2023年有限会社アキダイを買収
    • ロピアの事業展望
      • 地域一等地に出店
      • 現場第一主義で顧客ニーズを反映
      • 日本の食文化を海外に発信
    • ロピアは買収で事業規模拡大へ

    ロピアがスーパーバリューを買収

    握手するビジネスパーソン

    ロピアがスーパーバリューを買収した背景と、2024年2月に発表されたイトーヨーカドーの一部事業継承について解説します。

    スーパーバリューとは

    スーパーバリューとは、埼玉県を中心にスーパーマーケットとホームセンターを展開している企業です。

    1996年に埼玉県で創業し、2008年にジャスダック証券取引所(現・東京証券取引所スタンダード市場)に上場して事業を拡大しました。2011年から2019年まで毎年新店舗をオープンさせエリア拡大につなげました。

    ただ2019年2月期に赤字に転じて以降、業績が伸び悩み、2022年2月期は営業利益が8億300万円の赤字となり、同年にスタンダード市場に移行しています。

    スーパーバリューが赤字になった理由

    スーパーバリューが赤字になった理由として、競合他社との競争激化や円安による仕入れ価格上昇などが考えられます。

    スーパーバリューの店舗のそばに大型ショッピングセンターが建っているエリアもあり、近隣店舗との価格競争が激化して売上高も伸びにくかったと予想されます。円安で仕入れ価格が値上がりし、利益率向上につながりにくかったことも考えられる理由のひとつです。

    2022年7月に、スーパーバリューはロピアと資本業務提携契約を結び、経営立て直しに取り組んでいます。

    ロピアと一緒に取り組むこと

    スーパーバリューは資本業務提携契約に関するお知らせの書類でロピアと取り組む内容を紹介しています。おもな取り組みを下表にまとめました。

    取り組む内容メリット
    ロピアの物流センターとプロセスセンター(食品の仕入れや加工、配送を行なう工場)を共同利用生産量と店舗への配送量が増えて大幅にコストダウン
    スーパーバリューのホームセンター部門の商品をロピアに供給ホームセンター部門の売上が拡大する
    ロピアから精肉と鮮魚のアウトパック商品(パッケージ済みの商品)を導入店舗作業の効率化と従業員の生産性向上

    アウトパック商品は店舗でパッケージングする手間が省けるため、人件費や光熱費、パッケージマシン代が削減できます。スーパーバリューはこれらの取り組みで経営の改善を目指します。

    2024年イトーヨーカドーの一部の事業継承発表

    ロピアがスーパーバリューを買収した翌年の2024年2月9日、ロピアはイトーヨーカドーの一部店舗の事業継承を発表しました。イトーヨーカドーは、セブンア&アイ・ホールディングスが運営する全国228店舗展開(2024年2月現在)の総合スーパーマーケットです 。

    セブンア&アイ・ホールディングスは、2030年に向けて新たに目指すグループ像として「『食』を中心とした世界トップクラスのリテールグループ」というビジョンを掲げました。

    ロピアは、2024年の8月から10月にかけてイトーヨーカドー弘前店と青森店の引き渡しを受ける予定です 。ロピアが事業を継承することにより、イトーヨーカドー青森店の従業員の雇用は維持される見通しです。

    ロピアは地域住民からよく知られているイトーヨーカドーの跡地に進出することで、さらなるエリアと認知拡大につなげられる可能性があります。

    ロピアの勝算と根拠

    お弁当を作る人々

    ロピアはスーパーバリューの買収に勝算があるか根拠とともにお伝えします。

    コストを抑えてエリア拡大

    ロピアはスーパーバリューと業務提携を結ぶことで、コストを抑えながらエリア拡大につなげられました。ロピアがあまり出店していないエリアに、スーパーバリューの店舗があったからです。

    とくに埼玉県と東京都などでは、スーパーバリューはロピアの店舗数を上回る31店舗を営業していました。

    首都圏のスーパーバリューの店舗に、ロピアの商品を取り入れることで、ロピアは新規店舗を建設する費用をかけずに、商圏が広げられました。

    人材などの経営資源を獲得

    ロピアはスーパーバリューを子会社化することで、スーパーバリューの従業員など経営に欠かせない重要な経営資源を手に入れました。

    近年は少子高齢化などの影響で、スーパーマーケットで働く人材が足りません。スーパーマーケットを運営する企業は、従業員の給料を上げるなどして人材確保に取り組んでいますが、必要な従業員数は確保できていないのが現状です。

    ロピアは、スーパーバリューを子会社化することで、スーパーバリューの人材の獲得につなげました。

    DX化のメリットが大きくなる

    DX化とは、デジタル技術で顧客のニーズにあった商品やサービスを提供し、業務プロセスの効率化をはかるものです。DX化は初期投資費がかかるものの、導入する店舗が多いほど単位あたりのコストは低減し、業務効率も向上します。

    スーパーマーケットは、バックオフィスの業務など人の手で行なうものが多いため、大規模なスーパーマーケットほど人件費がかかるという側面もあります。ロピアは、スーパーバリューの子会社化によって店舗数が増えたため、DX化のメリットも大きくなりました。

    ロピアの買収の歴史

    ビル群

    ロピアの買収の歴史について解説します。

    2018年丸越食品工業を買収

    2018年に、ロピアは丸越食品工業を買収しました。以後ロピアは丸越醸造に、調味料の製造や開発を任せています。

    丸越食品工業(現・株式会社丸越醸造)とは、大正14年に酢の醸造元として設立した老舗調味料メーカーです。おもに食酢やソース、ドレッシング類を中心に製造しています。

    2023年現在では、丸越醸造の幅広い調味料がロピアの店頭に並んでいて、ロピアと丸越醸造が協賛しているキャンペーンも活発に行われています。

    2021年道場六三郎事務所を買収

    丸越食品工業買収から3年後の2021年に、ロピアは道場六三郎事務所を買収しました。道場六三郎事務所とは、1990年代のテレビ番組「料理の鉄人」で知られる道場六三郎氏が率いる会社です。

    2023年現在、道場六三郎事務所はロピアのお弁当やスイーツなどの商品開発を担当しています。「ロピアは安さだけでなく味もおいしい」とアピールする役割の一端を担っています。

    「銀座ろくさん亭」という和食・懐石料理の店舗も展開していて、ロピアの外食事業を支える重要な存在です。

    2023年有限会社アキダイを買収

    2023年に、ロピアはアキダイを買収しました。アキダイとは、1992年にオープンした創業30年以上をほこるスーパーマーケットです。年間250回もテレビニュースに取り上げられていた取材が殺到するお店としても知られています。

    アキダイは、青果や鮮魚などの生鮮食品を安価な価格で販売しています。青果に強いアキダイを子会社化したことで、精肉店からスタートしたロピアの生鮮食品の訴求力がさらに強化されたといえます。

    ロピアの事業展望

    机に広げられたビジネス資料

    ロピアの事業展望についてお伝えします。

    地域一等地に出店

    ロピアは日本全国の地域一等地に出店しています。2023年6月に、福岡の博多駅中央街にあるヨドバシカメラの4階に出店し、同年8月に、仙台の仙台駅東口にあるヨドバシカメラの3階に出店しました。

    これらの場所は地域の中心的なエリアであり、一等地として知られています。一般的に、空中階は路面店よりも集客力がやや劣るとされていますが、福岡ヨドバシは立地条件が良く、ほかのテナントの知名度も高いため、集客力があるようです。

    仙台ヨドバシ店は、仙台駅からペデストリアンデッキで結ばれているため、集客力に期待がよせられています。実際に、開店時にかなりの来客数がありました。ロピアは、地域の主要エリアに進出することで、ファン層の拡大を目指しています。

    現場第一主義で顧客ニーズを反映

    ロピアは、「現場主義」を採用しており、各店舗のチーフが裁量権をもっています。そのため、店舗では顧客のニーズがダイレクトに反映されやすいという特徴もあります。

    「現場主義」は、実務を担当する現場の従業員の判断や意思決定を尊重する考え方です。ロピア以外にも、トヨタ自動車や住友商事、ファーストリテイリング(ユニクロ)なども現場主義を重視している企業として知られています。

    現場主義によって、地域の顧客のニーズに合ったサービスの提供につなげることが可能です。トラブル発生時も、早期解決につなげやすくなります。ロピアは現場主義を採用することによって、地域の顧客のニーズに応えられる店舗作りをしているとも考えられます。

    日本の食文化を海外に発信

    ロピアは海外に向けて、日本の食文化の発信に取り組んでいます。まず2023年1月に、台湾に食品スーパーと飲食業の店舗をオープンさせました。

    ロピアは海外で日本の食文化を伝えるために、国内のブランド力の強化を進めてきました。2019年に株式会社eatopiaを設立し、外食事業に参入しています。2020年には、ミシュラン1つ星を獲得したステーキハウス「小石川 中勢以」の営業も手がけ始めました。

    ロピアの関連会社の株式会社OIC(オイシー) グループの公式ホームページには、「日本の食を届け 新たな文化をつくり 世界の人を健やかに」というメッセージを打ち出しています。

    ロピアは和牛を筆頭に、日本の食文化を海外に発信して、世界を舞台に事業拡大を図っていると思われます。

    ロピアは買収で事業規模拡大へ

    ロピアはスーパーバリューや道場六三郎事務所、アキダイなどを買収して事業を広げました。

    今後の事業展望として、地域一等地に出店した店舗で新たなファンを獲得し、日本の食文化の魅力をさらに発信していくと思われます。ロピアの多角的な事業展開についてもっと詳しく知りたい方は、お気軽に転職エージェントのフードコネクトにご相談ください。

    執筆者

    フードコネクト運営事務局

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