「人手不足で辞めたい」飲食店が人手不足になる背景と退職する理由

飲食店で人手不足が起こる理由とは？

人手不足が起こる要因は様々ありますが、飲食店（飲食業界）の場合は賃金の問題、休日の問題、スキル開発の問題があります。

賃金の問題と利益率が低い業界の厳しさ

出典：国税庁「民間給与実態統計調査」
出典：国税庁「令和4年分民間給与実態統計調査」

国税庁の業界別給与のデータによると、宿泊業・飲食サービス業の平均給与は年間260万円ほど。

国内の全業種の平均年収は2022年時点で458万円（※）であり、他の業界に比べて最も年収が低いことがわかります。

（飲食業界はパート・アルバイトなどの非正規雇用者の割合も多いため、平均所得を引き下げている傾向があります。）

また、厚生労働省の業界別年収データによると、年収は45〜54歳が最も高い傾向にありますが、293万円ほど。飲食店店長の平均年収は約362万円（2024年1月時点）ほど。

参考：indeed「日本での店長・マネージャー フード・飲食店の平均給与」

ピーク時や店長職など責任のある役職についても他業界より低い年収帯となってしまうことが伺えます。

※あくまで、統計上の数字であり、平均年収以上の所得を得ている人もいます。

調理、サービス提供にかかるコストが利益に対して大きく、利益率が低いことが背景にあります。

飲食店の料理の単価は、不動産や金融商品などの商品単価と比べると安いため、1品あたりの利益も多くありません。飲食店の利益率の平均は5％前後で、上場企業の店舗でも8％とされています。

また、飲食店の数は多いため競合店と価格競争になることも多いです。

給与の低い業界は不人気となる傾向があり、人手不足が起こります。

休日の不足

平均年間休日数が約102日

飲食店は土日祝日や大型連休にも営業しているため、シフト制での勤務体系になることがほとんどです。

少し古いデータ（2017年）ですが、厚生労働省によると労働者1人あたりに対する宿泊業、飲食サービス業の平均年間休日数が約102日となっています。全業界の平均が113日であるため、比較的年間休日が少ない業界といえます。

出典：厚生労働省「平成30年就労条件総合調査」

全業界で最も低い有給取得率

また、飲食業界は平均年次有給休暇取得率が他の業界と比べ低い傾向があります。

有給休暇取得率を産業別にみると、全業界で取得率は 62.1％ですが、「宿泊業、飲食サービス業」は49.1％となっています。全業界で最も低い数字です。

出典：厚生労働省「令和５年就労条件総合調査の概況」

休日の不足は様々な他の問題を引き起こします。年齢を重ねた時に体力的に続けるのが難しくなってしまったり、家族の時間をとれないことが不満につながったりします。

飲食店以外でも広告業界やコンサル業界など、長時間労働になりがちな業界はあります。

飲食店（飲食業界）特有の有給取得率の低さや、世間の連休期間に休みが取りづらく家族との時間が設けにくいなどの不自由さは、飲食店（飲食業界）の人手不足につながっていると考えられます。

一方でシフト勤務のメリットを気に入っている人もいます。

教育機会やスキル開発の機会不足

出入りの激しい飲食店では、十分な研修環境・評価制度・教育環境がないことがあります。「見て仕事を覚えるように」と仕事をあえて教えない文化があることもあれば、忙しすぎて教える時間がない、ということもあります。

また、アルバイトやパート比率の高い飲食店の現場ではしっかりとした評価制度が整っていないこともあります。

なぜ辞めたい？飲食店勤務経験者のリアルな声

飲食店・飲食業界の構造的な人手不足の背景を説明しました。ここからは飲食店勤務経験者が「辞めたい」と感じる理由を説明します。

無理なシフトと体力的負担

早朝から深夜まで営業をしている店舗が多く、中には24時間営業をしている店舗もあるため、ため、飲食店は変則的なシフトになることがあります。長時間労働、有給取得の取りづらさが重なると体力的にきつくなってしまう人も出てきてしまいます。

飲食店は立ち仕事が多いため年齢を重ねると厳しいと感じてしまう人もいます。

職場での人間関係のストレス

職場での人間関係のストレスはどの業界でもあります。飲食店においては同僚との人間関係の他、お客様からのクレームをうけることにストレスを感じてしまう人が多いようです。

老若男女様々な世代を顧客とする飲食店ならではの大変さです。

報酬と労働の不均衡

忙しくとも、ストレスが多くとも高額な報酬を得られる業界であれば一定数人気があります。飲食業界は平均給与が低い傾向にあり、仕事自体が好きでも長く続けることが難しいと感じる人もいます。

キャリアアップの道が見えない

店長職やエリアマネージャー、本社職などのポジションはありますが、ポストが限られています。キャリアアップの見えづらさから長く続けることが難しいと感じる人もいるようです。

転職したくでもできない7つの壁

忙しくて時間がとれない

人手不足の飲食店に勤務している場合は、休みがとりづらいことが多いです。連日勤務している人もいます。貴重な休日は身体を休める必要があり、転職活動する時間がなかなか見つからなくなります。

一方で、シフト制であれば平日に行なわれる面接に行きやすい、というメリットもあります。

経済的な不安定さ

働きながら転職活動するにせよ、一度退職してから転職活動するにせよ、転職活動にはお金がかかります。応募書類の準備やスーツの購入、面接会場までの交通費などが必要になるためです。

経済的に余裕がない場合、転職活動の費用を捻出するのが難しいと感じてしまいます。

次の仕事への不確実性

「転職して成功した」と言えるかどうかは実際のところ誰にも分かりません。数年後に答えが変わることもあり得ます。

「成功するかわからない」という不安が勝ると、なかなか転職活動をする気持ちになれなくなってしまいます。

家族や店長からのプレッシャー

配偶者や子供がいる場合、安易に転職活動に踏み出せません。転職では年収が下がることもあり得るため、家族から「転職しないで」と反対される場合もあるでしょう。

また、勤めている店舗の店長やマネージャー（上司）に人手不足であるため「どうか辞めないで欲しい」とプレッシャーをかけられる場合もあります。

自己評価の低さ

自己評価が低い場合、転職活動をすることに躊躇してしまう方もいるでしょう。書類や面接でお見送りをされてしまうことは多少なりともダメージを受けます。

闇雲に選考を受けて心理的なダメージを得るよりは、専門の転職エージェントに相談するのがおすすめです。転職エージェントは企業と求職者のマッチングを日々おこなっているため、成功確率が高くなる方法を知っています。

転職への理解不足

「転職活動に慣れている」という人はあまりいません。何からすれば良いか分からず、日々忙しく仕事をしているうちに何年も悩んでしまう人もいます。

「何から始めれば良いか分からない」という方こそ転職エージェントにまず相談することをおすすめします。転職エージェントに相談したからといって必ずしもすぐに転職しないといけないわけではありません。転職エージェントに求人について相談するだけでも良いでしょう。

▼参考記事

辞めたいと悩んだら転職エージェントに相談してみよう

転職することが適切かどうか客観的なアドバイスをもらえる

転職エージェントに相談すると、「転職することが適切かどうか」客観的なアドバイスをもらえます。転職エージェントは、数多くの求職者と企業をマッチングさせてきたためです。

求人が多い時期かどうか市場の動向などもふまえたアドバイスがもらえることで、転職するかどうかや、転職するとしたらその時期などが明確になります。

非公開求人がある

転職エージェントを利用した場合、非公開求人を紹介してもらえることがあります。

「求人条件がいいため応募者数が増えすぎて対応が大変になる」「急募のため求人サイトに掲載せずにすぐに人を集めたい」といった背景から求人が非公開にされる場合があり、転職エージェントは非公開求人を保有していることが多いです。

転職エージェントに相談してみることで一般に公開されていないような良質な求人と出あえる可能性が高まります。

忙しいあなたの代わりに求人を探してくれる

転職エージェントは、希望を伝えることであなたの代わりに求人を探し、提案してくれます。膨大な求人の中から自分にマッチする求人を見つけることは難しいものです。

「色々な求人を見過ぎて自分に合う基準が分からなくなった」という方はぜひ転職エージェントを活用してみてください。転職エージェントに希望を伝える時は、自分の経歴や経験を丁寧に伝えることもポイントです。

電話やLINEでのサポートも受けられる

電話やLINEでのサポートに対応している転職エージェントも多いため、わざわざ転職エージェントのオフィスに行かなくとも求人を紹介してもらえることができます。

日程調整や書類作成、面接対策などのサポートもある

転職エージェントを活用することで、転職に関するさまざまな調整は代行してもらえます。転職活動では応募先企業担当者と以下のやり取りが必要です。

• 面接の日時を決める
• 面接結果の連絡を受ける
• 入社するか辞退するかどうかの連絡を行なう
• 入社日はいつにするか相談のうえ決める

複数の企業の求人に応募している場合は調整が煩雑になるため、転職エージェントに代行してもらえると時間が有効に使えます。

忙しくて辞めたいと悩んだら専門エージェントを活用しよう

飲食店における人手不足の状況や人手不足の飲食店を辞めたいと思う理由、転職エージェントを活用するメリットについて紹介しました。

悩んでしまっている人は、ぜひ業界に特化した専門エージェントを利用してみてください。

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